JRに乗車する際に使える切符「青春18きっぷ」をご存じでしょうか。なんとなくお得なイメージは持っているものの、「青春18」と名前についているので、18歳以下しか使えないと思っている方もいらっしゃるかもしれません。
じつは、「青春18きっぷ」は誰でも、何歳でも利用できるのです。そこで今回は、「青春18切符」について概要から購入方法・使い方について紹介していきます。おすすめの使い方や注意点についても説明するのでぜひ参考にしてみてください。
この記事は下記のような人におすすめです!
- 青春18切符の概要を知りたい
- 青春18切符の使い方・メリットを知りたい
1 青春18きっぷの概要
「青春18きっぷ」は、JR全線の普通列車の普通車自由席が1日乗り放題になる切符のことです。年齢を問わず使用することができ、毎年、春・夏・冬の3回発売されています。
概要は下記のとおりです。
<利用期間>
春季用:2023年3月1日(水)から2023年4月10日(月)まで
夏季用:2023年7月20日(木)から2023年9月10日(日)まで
冬季用:2023年12月10日(日)から2024年1月10日(水)まで
<発売期間>
春季用:2023年2月20日(月)から2023年3月31日(金)まで
夏季用:2023年7月1日(土)から2023年8月31日(木)まで
冬季用:2023年12月1日(金)から2023年12月31日(日)まで
<有効期間>
- 1券片5回(人)まで利用可能
(※1回(人)分で乗車日当日に限り有効)
<金額>
発売額(円)(1券片)(おとな・こども同額)…12,050円
<発売箇所>
- 旅客会社
(「きっぷうりば」がある駅及び、サポートつき指定席券売機設置駅)
- 旅行会社
(「きっぷうりば」がある各駅周辺の主な旅行会社の支店・営業所)
2 青春18きっぷの料金・購入方法
「青春18きっぷ」はどのように購入することができるのでしょうか。料金は下記のとおりです。
<価格>
・発売額(円)(1券片)(おとな・こども同額)…12,050円(5回分セット)
※1枚で5つのスタンプが押せる仕様になっています。1回分(1日分)×5回の計算で、1回ごとにJR全線の普通列車の普通車自由席が1日乗り降り自由になる仕組みです。バラ売りはありません。
<購入できる場所>
- JR各社のみどりの窓口
- 各地の旅行センター、旅行会社
- JR各社の指定席券売機(一部は除く)
各種窓口などで購入する場合は、青春18きっぷを購入したい旨を窓口で伝えると購入できます。指定席券売機で購入する流れは下記のとおりです。
- 「指定席券売機」のトップ画面から「おトクなきっぷ」を選択する
- 「おトクなきっぷの購入」を選択する
- 「乗り放題タイプ」を選択する
- 表示されているメニューの中から「青春18きっぷ」を選択する
- 使用人数(枚数)を選ぶ
※何人で共有しても問題ないが、1セット購入したい場合は「1人」を選択する - 希望の冊数になっていることを確認し、「確認」ボタンを押す
- 支払いをする(現金、Suica・PASMOなどのICカード、クレジットカードが対応)
2-1 学割併用
「学割」とは、JRの正規のきっぷの金額に対して、運賃が2割引きになる仕組みのこと。
また、学割(往復割引)の場合は片道601km以上の場合は1割引となります。学生であれば、かなりお得になる「学割」ですが「青春18きっぷ」にも適用されるのでしょうか。
結論から言うと、「青春18きっぷ」は学割が適用されません。「青春18きっぷ」そのものがかなり格安なきっぷとなっているので、それ以外の割引は適用されないのです。
3 青春18きっぷのメリット
青春18きっぷの料金や購入方法についてわかりました。ここからは、「青春18きっぷ」のメリットについてお伝えしていきましょう。
3-1 途中下車が可能
通常のJRのきっぷや、ICカード乗車券を利用した場合、途中下車をするには、その都度、きっぷを買い直す必要があります。
もしくは、片道の営業距離が100km以上や逆戻りをしないなど、途中下車ができるルールが適用できる範囲内でなければなりません。
しかし、青春18きっぷは途中下車ができるのが魅力です。車窓から見える景色が気になった時や、ふと降りてみたくなった駅に気軽に降り立つことができます。
旅のスケジュールをはじめからしっかり決めず、気分の赴くままに、気ままに過ごせることが魅力でしょう。
3-2 1日2,410円で乗り放題
「青春18きっぷ」は、1冊が12,050円(5回分セット)となっています。そのため、1回あたり2,410円の計算です。2,410円でJR全線の普通列車の普通車自由席が1日乗り放題になるので、片道1,205円よりも高い区間に乗れば、お得になるのです。
青春18きっぷは一部期間を除き日本全国で利用できるため、旅好きの方におすすめ。利用できる区間は下記のとおりです。
〇JRの普通列車の普通車自由席及びBRT(バス高速輸送システム)ならびにJR西日本宮島フェリー全線
※道南いさりび鉄道線、青い森鉄道線、IGRいわて銀河鉄道線、三陸鉄道線、北越急行線、しなの鉄道線、えちごトキめき鉄道線、あいの風とやま鉄道線、IRいしかわ鉄道線、伊勢鉄道線、京都丹後鉄道線、智頭急行線、土佐くろしお鉄道線及び肥薩おれんじ鉄道線などの他、JR線と直通運転をしている路線ならびにJRバスは利用できない。別途、利用する区間に有効な運賃・料金が必要。
※各1回(人)分でのこども2人使用はできない
※全員が同一行程で旅行する場合に限り、グループで使用することが可能
※「青春18きっぷ」は他の割引との併用は不可
※払い戻しは発売箇所に限り、取り扱い可能
4 青春18きっぷの裏技
青春18きっぷのメリットについてわかりました。ここからは、青春18きっぷの裏技について紹介していきましょう。
4-1 複数人で使用できる
「青春18きっぷ」は5回分がセットで1冊になっていますが、1冊を2人以上の複数人で使えることが魅力です。
例えば、5人で1回分ずつ使うといったことが可能。しかし、複数人で使用する場合は同時使用をしなければなりません。
ちなみに「青春18きっぷ」を使用する際は、改札を抜ける際にスタンプを押してもらうというルールがあります。複数で利用する際もこのルールに変更はありません。
なお、複数で利用する際は使用する人数分のスタンプを改札で押してもらってください。(例:2人で利用する場合はスタンプ2つ)
複数で利用する場合の具体的な条件は下記のとおりです。
- 1日1人につき1回分を使用できる
- 5人まで同時利用ができる
- スタンプは人数分押される
- 同時利用する人は、同一行程でなければならない
- 複数人が合流するときは、改札外でなければならない
(例:東京駅から大阪駅まで利用する場合、参加メンバーのうちのひとりが品川駅から乗車するといったことはできません。なお、途中で合流することは可能です。この場合は、改札口の外で合流することになります。合流時には一旦改札を出て、外で合流するようにしましょう。この際、最初の駅で1人目のメンバーはスタンプを押してもらうことになります。)
4-2 金券ショップでばら売りを購入できる
「青春18きっぷ」は5枚つづりですが、5回も利用するのは難しいという方も多いのではないでしょうか。そんな時は、金券ショップでばら売り(数回分のみ)で購入ができます。
なお、「青春18きっぷ」は残りの枚数が少なくなるほど、1枚あたりの価格が高くなる傾向です。そのため、複数枚を一度に購入する方がお得になるでしょう。
また、反対に数回のみ利用し、スタンプが5つ埋まっていない状態で金券ショップで売ることもできます。
<金券ショップでの価格の例>
枚数 | JRでの販売価格目安(※バラ売りはされていません) | 金券ショップでの販売価格 | 金券ショップでの1枚あたりの価格 |
---|---|---|---|
1枚分 | 2,370 円 | 3,500 円 | 3,500 円 |
2枚分 | 4,740 円 | 6,000 円 | 3,000 円 |
3枚分 | 7,110 円 | 8,000 円 | 2,667 円 |
4枚分 | 9,480 円 | 10,000 円 | 2,500 円 |
5枚分 | 11,850 円 | 11,550 円 | 2,310 円 |
4-3 新幹線併用
「青春18きっぷ」はJR全線で利用することはできますが、普通列車しか使用することができません。そのため、新幹線に乗ることができないので注意が必要です。また、「青春18きっぷ」に別途料金を支払っても新幹線には乗れません。
(※奥津軽いまべつ~木古内の北海道新幹線は北海道新幹線オプション券を購入することで新幹線に乗ることが可能)
しかし、一部の区間だけ「ワープ」という方法を使えば、新幹線に乗ることも可能です。「ワープ」には下記のような種類があります。
<一気ワープ>
例えば、東京から新潟まで一気に新幹線で行き、そこから青春18きっぷを利用して鈍行列車の旅を楽しむといった方法は可能です。時間短縮ができ、乗りたい路線の普通列車の旅を楽しめるというのがメリットでしょう。しかし、新幹線に長距離乗るため、あまりお得感はないかもしれません。
<途中ワープ>
普通列車や快速列車だけでは移動しにくい区間や時間のかかる区間だけを新幹線で移動するという方法もあります。例えば、東京から高崎まで「青春18きっぷ」で快速列車を使い、高崎から越後湯沢まで新幹線、そこから普通列車を利用する、という使い方ができるのです。
移動時間も短縮でき、効果的に節約もできるので、費用対効果の高い旅になるでしょう。
5 青春18きっぷの注意点
「青春18きっぷ」にはさまざまなメリットがありますが、注意すべき点もあります。具体的にはどういった点に注意すべきなのでしょうか。
5-1 新幹線に乗ることはできない
「青春18きっぷ」は、特急料金を追加で支払っても、新幹線に乗ることはできないので注意が必要です。
※有効な「青春18きっぷ」を持っている方が、「青春18きっぷ北海道新幹線オプション券」を別途購入し、併用で利用する場合は、北海道新幹線の「奥津軽いまべつ~木古内」間及び道南いさりび鉄道線の「木古内~五稜郭」間を一枚につきひとり片道1回利用可能
5-2 販売期間・利用期間が設定されている
「青春18きっぷ」の注意点として、販売期間・利用期間が設定されている(利用できない時期がある)ので注意が必要です。
<発売期間>
- 春:2023年2月20日~2023年3月31日
- 夏:2023年7月1日~2023年8月31日
- 冬:2023年12月1日~2023年12月31日
<有効期間>
- 1日間(1回につき) ※5回分セット
<利用期間>
- 春:2023年3月1日~2023年4月10日
- 夏:2023年7月20日~2023年9月10日
- 冬:2023年12月10日~2024年1月10日
5-3 自動改札には対応していない
「青春18きっぷ」は自動改札には対応していないので注意が必要です。しかし、駅によっては無人駅の場合もありますよね。そういった場合はどのように使用すればよいのでしょうか。
➀無人駅で自動改札機がある場合
前述のとおり、「青春18きっぷ」は自動改札に対応していません。そのため、「青春18きっぷ」を使用して改札を通ることはできないので注意が必要です。
自動改札のある無人駅には自動改札機の横にインターホンがあるので、インターホンを押すと最寄りの有人駅またはオペレーターにつながります。インターホンがつながったら、「青春18きっぷ」を利用することを伝え、「青春18きっぷ」をカメラに見せましょう。
そうすれば、自動改札機を通してもらえます。
②無人駅で自動改札機がない場合
そのまま改札に入ってOK。なお、日付印がある場合はそのまま乗車して問題ありませんが、日付印がない場合は駅に設置している乗車駅証明書もしくは列車内の整理券を取る必要があるので注意が必要です。
(※車掌さんが乗車している列車に乗っている場合は、車掌さんに日付印を押してもらう。ワンマン列車の場合は日付印は降車時に押してもらう)
まとめ
「青春18きっぷ」は年齢を問わず、誰でも利用できるお得なJRのきっぷです。JR全線の普通列車の普通車自由席が1日乗り放題になるので、ゆったりとした旅を楽しみたい時におすすめ。乗り降りも自由なので、気になる駅にフラッと立ち寄ることもできます。
発売期間は限られていますが、節約しながら充実した旅ができるのが魅力です。ちょっと時間のできた時に、急がずマイペースな旅を楽しむのはいかがでしょうか。