長距離移動が緩和されてきた昨今、待ちに待った旅行を計画している人も多いのではないでしょうか。そんな旅行の悩みの種は何といっても旅費。旅行にはそれなりの予算が必要ですが、できることなら抑えられるところは抑えたいものですよね。特に新幹線は駅の窓口などでチケットを購入すると意外と高く感じませんか。実はそんな新幹線には安く乗る方法があるのです。それは大きく分けて下記の6つ。
- ネット予約
- 「新幹線+ホテル」プラン
- 往復・学生割引
- 株主優待券
- 団体割引
- 回数券・金券ショップ
この記事では、新幹線に安く乗る方法ついてそれぞれ詳しく解説していきます。利用方法やメリットなども紹介するので、ぜひ参考にしてお得な旅を楽しんでみてください。
この記事は下記のような人におすすめです!
- 新幹線にお得に乗りたい
1 ネット予約
新幹線に安く乗る方法の1つ目は「ネット予約」です。新幹線のチケットはJRの各種サービスからネット予約するとお得に購入することができます。東海道・山陽新幹線のネット予約サービスや山陽新幹線の「のぞみ早得往復きっぷ」など様々なサービスがあるので、詳しく解説していきましょう。
1-1【東海道・山陽・九州新幹線】「スマートEX」・「EX予約」
「スマートEX」・「エクスプレス予約」は、乗車券・特急券の効力が一体となった東海道・山陽・九州新幹線専用の割引サービスです。サイトに会員登録後、スマートフォンやパソコンから簡単操作でチケット予約ができます。
「スマートEX」「エクスプレス予約」など、それぞれの特徴を紹介します。
〈スマートEX〉
スマートEXは、東海道・山陽・九州新幹線のネット予約サービスです。会員登録をするだけで、すぐに新幹線の予約が可能です。年会費は無料のため、気軽に始められる点もポイント。
〈エクスプレス予約〉
東海道・山陽・九州新幹線の会員制ネット予約サービスで、1年中お得な価格で新幹線の指定席を利用できるサービスです。乗車日当日であっても会員価格が適用されてお得です。
※グリーンプログラムは「個人会員」対象の特典。一定数以上のポイントが貯まると普通車指定席の値段でグリーン車が利用可能
〈早得商品〉
早得商品とは、「スマートEX」「エクスプレス予約」会員専用のサービスです。早めに予約することでさらにお得に新幹線を利用できるプランとなっています。
以下が早得商品の一覧です。長距離向け、ファミリー向けなど多様なプランが用意されているのが特徴です。出張や旅行プランに併せて利用を検討してみると良いでしょう。
- EX早特3
- 3日前までの予約で、長距離区間の「のぞみ」「みずほ」「さくら」「つばめ」(※)グリーン車(一部区間・普通車指定席を含む)がお得に利用可能。
- EX早特7
- 7日前までの予約で、長距離区間の「のぞみ」「みずほ」「さくら」「つばめ」(※)グリーン車(一部区間・普通車指定席を含む)がお得に利用可能。
- EX早特7
- 21日(3週間)前までの予約で、「のぞみ」普通車指定席をスマートEX商品で最もお得に利用可能。前もって予定が決まっている時におすすめの商品。
- EX早特28ワイド
- 28日(4週間)前までの予約で、「のぞみ」普通車指定席がとてもお得に利用可能。早くから予定が決まっている時におすすめの商品。
- EXグリーン早特3ワイド
- 3日前までの予約で、終日の「のぞみ」および「ひかり」のグリーン車がお得に利用可能。出張や旅行で快適に利用したい方におすすめ。
- EXこだまグリーン早特3
- 3日前までの予約で、「こだま」グリーン車を手頃に利用可能。
- EXのぞみファミリー早特3
- 3日前までの予約で、土休日の「のぞみ」普通車指定席とグリーン車をお得に利用可能。2名以上で利用でき、こども用の設定もある。週末の家族旅行などにおすすめ。
- EXこだまファミリー早特3
- 3日前までの予約で、「こだま」普通車指定席をスマートEX商品で最もお得に利用可能。2名以上で利用でき、こども用の設定もあるため、家族旅行や友達との旅行におすすめ。
1-2 【東海道新幹線】ぷらっとこだま
「ぷらっとこだま」は、「JR東海ツアーズ」が販売する新幹線の格安プラン。「こだま」の指定席乗車券と1ドリンク引換券がセットになっています。ドリンクはソフトドリンクだけでなく、350mlのビールも対象なので今人気の新幹線呑みも楽しめそうですね。
〈利用方法〉
- JR東海ツアーズのwebサイトや電話、JR東海ツアーズの各支店などで購入できる
- 乗車前日22時までに予約・購入する必要がある
- 普通車だけでなくグリーン車のプランもある
- JR乗車票等は乗車する東海道新幹線駅で受け取れる
〈設定区間〉
- 東京・品川・新横浜・静岡・浜松・名古屋・京都・新大阪の各駅相互間
※東京・品川~新横浜間、静岡~浜松間、京都~新大阪間はNG
〈割引額の例〉
乗車区間や通常期、繁忙期などによって割引額は異なりますが、どちらの期間も普通車の片道料金は約25%お得になる「ぷらっとこだま」。具体的にはどの程度安くなるのでしょうか。普通車指定席、「おとな」料金の一例を比較して紹介します。
- 東京(品川)⇔新大阪
通常14,720円のところ10,900円
- 東京(品川)⇔名古屋
通常10,560円のところ8,600円
〈注意事項〉
- 指定された新幹線以外には自由席を含め乗車ができない
- 乗り遅れた場合は無効となり、払い戻しはできない
- 券面に記載された駅でのみ乗降が可能で、区間内であっても途中の乗降は不可
1-3 【東海道新幹線】JR日帰り
JR東海の子会社「JR東海ツアーズ」には「JR日帰り」というプランがあり、早朝など比較的空いている時間帯の列車がお得に乗れます。日帰りの往復新幹線チケットと、各地の観光地などで使えるクーポンや観光施設の割引券などがセットになっているので、自分の旅行プランに合ったものを選びましょう。新幹線に乗車する時間帯にはこだわらず、お得に旅行がしたい人にはおすすめです。
〈利用方法〉
- JR東海ツアーズのwebサイトのメニューから「JR日帰り」のタブをクリック
- 出発地と目的地を選択
- プランを選ぶ
※郵送受け取りの場合は出発の6日前14時まで、店舗受け取りの場合は出発の3日前14時までの予約が必要なので要注意 - 列車を選択する
〈割引額の例〉
- 東京⇔新大阪
通常料金は27,740円のところ、最安料金は22,000円程度。約7,500円お得になります
1-4 【東北新幹線】えきねっとトクだ値
東北新幹線を利用する際は「えきねっとトクだ値」がおすすめです。「えきねっとトクだ値」は、JR東日本の新幹線チケットの予約購入などができる「えきねっと」のチケットレスサービス「新幹線eチケットサービス」から購入できます。
〈利用方法〉
- 「えきねっと」webサイトのトップページから乗降駅・日時・人数を入力する
- 経路選択ページ内の「えきねっとトクだ値」が設定された経路を選択
- きっぷ・座席の種類選択ページに進み「トクだ値」、「トクだ値チケレス」を選択
※乗車日当日の1時50分までに申し込む
〈割引額の例〉
- えきねっとトクだ値:当日までの申し込みで5~40%割引
- お先にトクだ値:13日前までの申し込みで25~40%割引
- お先にトクだ値スペシャル:20日前までの申込みで50%割引
- えきねっとトクだ値(チケットレス):出発時刻までの申し込みで35~50%割引
1-5 【山陽新幹線】スーパー早特きっぷ
山陽新幹線をお得に利用するには「スーパー早特きっぷ」がおすすめ。なんと30~35%という大幅な割引率が魅力です。「スーパー早特きっぷ」とは山陽新幹線・九州新幹線のインターネット予約サービス「e5489」「JR九州インターネット列車予約」で購入できます。乗車日の21日前までに予約する「スーパー早特21」であればよりお得になるので、新幹線を利用する日が決まったら早めに予約しておきましょう。
〈利用方法〉
- インターネット予約サービス「e5489」または「JR九州インターネット列車予約」で出発日の1か月前~14日前までに予約・購入する
- 駅の券売機に決済に使用したクレジットカードを挿入し、予約番号・電話番号を入力して紙のきっぷを受け取る(駅の窓口でも対応可能)
- ②で受け取った紙のきっぷを、通常のきっぷと同じく自動改札に通して新幹線に乗車する
※JR西日本の「J-WESTカード会員」「J-WESTネット会員」「JQ CARD会員」「JR九州WEB会員」いずれかの会員登録が必要です
〈割引額の例〉
- 新大阪・新神戸⇔小倉・博多
通常料金14,720円のところ11,690円 - 新大阪・新神戸⇔熊本
通常料金18,800円のところ14,390円
1-6 【山陽新幹線】のぞみ早特往復きっぷ
山陰・四国エリアから東京・横浜を往復する新幹線に乗る際は、「【山陽新幹線】のぞみ早特往復きっぷ」を利用すると東海道・山陽新幹線と在来線特急の普通車指定席が10~20%安くなります。
〈利用方法〉
- JR西日本の予約サイト「e5489」の「のぞみ早特往復きっぷ」のページから利用区間と利用日時を選択する
- きっぷの利用開始前までに「5489サービス」の表示のある出発地周辺の、JR西日本の「みどりの券売機」「みどりの券売機プラス」「みどりの受取機」「みどりの窓口」できっぷを受け取る
※予約は利用開始日の21日前から7日まで
※逆区間(東京・横浜エリアから山陰・四国エリア)は利用できないので要注意
〈割引額の例〉
- 米子・松江・出雲市→東京都内・横浜市内
通常料金38,000円程度のところ31,430円
商品一覧 | スマートEX
エクスプレス予約 新幹線の会員制ネット予約
「ぷらっとこだま」とはどのような商品ですか
新幹線のお得な日帰り旅行・ツアーはJR東海ツアーズ
えきねっとトクだ値(えきねっと限定の割引きっぷ)|えきねっと(JR東日本)
「えきねっとトクだ値」はどのようなものですか。 | えきねっと Q&A よくあるご質問
えきねっとトクだ値をご利用の場合|JRきっぷ ご利用ガイド:えきねっと(JR東日本)
インターネット予約限定 スーパー早得きっぷ | JRおでかけネット
のぞみ早得往復きっぷ | トクトクきっぷ:JRおでかけネット
2 「新幹線+宿泊」プラン
新幹線を安く利用する方法の2つ目は各旅行会社が行っている「新幹線+宿泊」プランです。ホテルや旅館に泊まる予定がある場合はかなりお得になります。同じ区間を往復し、宿泊もする場合は一番先に使いたい選択肢でしょう。
〈利用方法〉
- 各旅行会社のwebサイトや窓口などで出発地・行き先・日程・人数を選択し、ホテルや旅館を申し込むだけでOK
- JTB、日本旅行、JR東海ツアーズ、近畿日本ツーリストなどさまざま旅行会社が行っている
- 新幹線の発着駅やホテルの選択肢が多く、様々なプラン作りができる
- 新幹線の細かい座席指定ができる
- 1人予約が可能
- 新幹線のチケットは自宅郵送してもらえる(駅受取・コンビニ受取も選択可)
- 幅広い時間帯の新幹線の列車を選択できる
- 乗り遅れても基本的にはその日の内なら、同等以下の後続列車で自由席を利用することが可能
〈割引額の例〉
- 新横浜⇔新大阪
通常35,830円の新幹線&宿泊の料金が26,000円
〈「新幹線+宿泊」プランのメリット〉
- 新幹線のチケットと宿泊予約が同時にかつお得にできる
3 往復・学生割引
新幹線を安く乗る方法の3つ目は「往復・学生割引」。どちらも新幹線のチケットをJRの窓口などで買う時に適用されるものです。特に事前の申し込みなどは不要なので、手軽に安く購入することができます。
〈往復割引〉
- 片道の営業キロが601キロ以上であれば、「ゆき」「かえり」の運賃がそれぞれ1割引になる
(例)東京⇔岡山間の場合、片道の運賃10,670円が1割引の9,603円になる
〈学生割引〉
- 利用区間の片道の営業キロが101キロ以上であれば運賃が2割引になる
(往復割引乗車券についても学生割引が適用される) - チケット購入の際は学校が発行する「学生・生徒旅客運賃割引証」を窓口ヘ提出する
なお、新幹線+宿泊施設のパックツアーの方が、総合的には安い場合があるので、ホテルもセットで購入する際はどちらが安いか計算してみるようにしましょう。
割引乗車券(往復割引乗車券、学生割引乗車券) | JR東日本
割引乗車券(学生割引割引乗車券) | JR東海
4 株主優待券
新幹線を安く乗る方法の4つ目は「株主優待券」の利用です。JR東日本、JR東海、JR西日本、JR九州の4社は上場しているので、株主優待券を使えば割引料金で新幹線に乗ることができます。株主優待券は、株主でなくても金券ショップで購入できるので、入手してお得に活用してみましょう。
株主優待券は、駅の窓口で提出すれば料金を割引してもらえる仕組みになっています。JR各社で割引率などが違うので、下記のとおりまとめてみました。
〇JR東海
- 株主優待券1枚につき、片道運賃・料金が1割引。同時に2枚(2割引)まで利用することができる
- (割引額の例)東京⇔京都
通常料金14,720円のところ11,770円
〇JR東日本
- 株主優待券1枚につき、片道運賃・料金が4 割引。2枚以上の同時利用はできない
- (割引額の例)東京⇔新青森
通常料金17,670円のところ10,600円
〇JR西日本
- 株主優待券1枚につき、片道運賃・料金が5割引。2枚以上の同時利用はできない
- (割引額の例)新大阪⇔博多
通常料金15,600円のところ7,800円
〇JR九州
- 株主優待券1枚につき、片道運賃・料金が5割引。2枚以上の同時利用はできない
- (割引額の例)博多⇔鹿児島中央
通常料金13,260円のところ6,630円
株主優待券のご案内 | JR東海
株主優待券 | JR東日本
株主優待券 | JR西日本
株主優待制度 | JR九州
5 団体割引
新幹線を安く乗る方法の5つ目は「団体割引」。新幹線では8人以上が同一行程で旅行する場合、団体割引が適用されます。大人数での旅行の際には、団体割引を活用するとお得です。団体割引には「普通団体」と「学生団体」の2種類があるので、それぞれについて説明します。
〈普通団体〉
- 一般客が対象
- 10~15%割引(※時期により異なるので注意が必要です)
- (割引額の例)東京⇔京都、「ひかり」指定席をおとな8人で利用(※往復、時期は割引率10%の10月で算出)
通常運賃8,360円の10%オフの金額に特急料金(5,490円)を加えた額で利用できる
※団体割引の場合、特急料金は割引されません
〈学生団体〉
- 指定学校の学生・生徒・児童・園児が対象
- 学校長が証明し、引率者をつけることが必須条件
- 30~50%割引
割引乗車件(団体割引乗車件) | JR東海
割引乗車券(団体割引乗車券、回数乗車券) | JR東日本 |
団体割引乗車券 | きっぷのルール:JRおでかけネット
6 回数券
新幹線を安く乗る方法として、最後に紹介するのが「回数券」です。新幹線には普通車自由席に乗車できる回数券があり、通常料金よりお得に利用することができます。
〈利用方法〉
- 回数券は駅の窓口で購入できる(普通車自由席に乗車できる6枚セット)
- 金券ショップでばら売りを購入することも可能
- 有効期限は購入から3か月
- 回数券1枚でこども2人の利用可能
- 自動改札に通すことで利用できる
※お盆期間は利用不可なので注意が必要です
〈割引額の例〉
- 東京~小田原
通常料金3,280円 のところ2,800円
新幹線回数件(普通車自由席用)| JR東海
新幹線回数券 | JRおでかけネット
7 EXポイント
2023年10月1日から、「エクスプレス予約」・「スマートEX」(EXサービス)の利用によってポイントが貯まる「EXポイント」の提供が予定されています。
EXサービスを利用して東海道新幹線(東京~新大阪)を含む区間にチケットレス乗車すると、ポイントが貯まるお得なサービスとなっています。
貯めた「EXポイント」は、「EX旅先予約」の観光コンテンツのほか、旅行商品「EX旅パック」の購入に充当することが可能。日頃の移動で貯めたポイントを使ってお得に旅行が楽しめるようになります!
また同日に開始する「TOKAI STATION POINT」との相互交換も可能です。「TOKAI STATION POINT」は主にお買い物時にポイントが貯まる・使える仕組みになっているため、旅行・お買い物それぞれの目的に応じて貯めるポイントを集約していくと良いでしょう。
まとめ
新幹線に安く乗る6つの方法について、それぞれの手段別に紹介してきました。ネット予約や新幹線と宿泊施設をセットで購入するプラン、株主優待券などを活用すれば、新幹線は格段にお得になります。通常料金では高く感じがちな新幹線ですが、かかる経費を抑えることができるのです。
新幹線を利用する旅を計画する時は、ぜひ今回紹介した方法を参考にしてみてください。