新NISAが始まったこともあり、資産運用についての話題をよく耳にするようになりました。資産運用について、何か始めたいけれど、どれを選べばよいのか悩んでいるという方もいらっしゃるでしょう。
資産運用の代表ともいえるのが「株」です。しかし、株を買うのはハードルが高く、興味はありつつも損をするイメージなどから踏み切れない人も多いのではないでしょうか。
そこでこの記事では、株初心者の方向けに、株の基本について解説します。また株の魅力ともいえるのが株主優待です。
「株」の基本知識に加え、株主優待としてポイントがもらえるポイ活におすすめの株もあわせて紹介していきましょう。

この記事は以下のような方におすすめです!
- 株について初心者向けの情報が知りたい
- ポイ活できるおすすめ株を知りたい
1 株とは?

「株式」とは、株式会社が資金調達をするために発行する株券のことを指します。会社を運営するには資金が必要ですが、その資金を調達するために金融機関から融資を受けたり債権を発行したりといったさまざまな手段のひとつが「株」なのです。
なお、「株式」は株式会社であれば発行できますが、投資家が株を購入したいと考える時、一般的に流通していない株を購入することはできません。株式が証券取引所に上場している場合、証券会社を通じて株を購入することができる仕組みになっています。
また、下記のとおり株式には国内株式と外国株式があります。
〇国内株式
日本国内の証券取引所に上場している国内企業の株式のこと。約3,800社が上場・公開している
〇外国株式
外国企業が発行している株式のこと。主に海外の証券取引所に上場・公開している
ちなみに、株式は東インド会社が資金調達のため、投資家から出資を募ったのが始まりです。「株」の語源は日本の同業組合の呼称からとされていて、日本では古くから同業組合を指す名称として「株組合」「株仲間」というものがありました。
このことから、株も複数の出資によるものであることから、株とよばれるようになったとされているのです。
また、出資に対して発行された証券が株の起源となっています。
2 株にまつわる基本用語

株には、関連する専門用語があるため、初心者の方はわかりにくい部分も多いかと思います。そこで、代表的な株にまつわる用語について解説します。この用語を覚えておけば、株のことがグンとわかりやすくなりますよ。
<投資家>
さまざまな金融商品に自らの資産を投じて、売買益や配当金などを得て生計を立てる職業のこと。単に投資によって利益を得るだけではなく、投資先の企業などの成長や、市場価値が高まることを期待して投資している人もいます。
<上場>
企業が発行する株式が証券取引所で売買できるようになることです。上場するためには、一定の基準をクリアした上で、証券取引所の審査を通る必要があります。
<証券会社>
投資家が株式や投資信託などの金融商品を購入する際に、仲介を行う会社のこと。その際に仲介手数料を取ることや、株式の運用を投資家の代わりに行うことなどで利益を上げています。
<日経平均株価>
日本経済新聞社が、東京証券取引所プライム市場上場銘柄の中から選んだ225銘柄から構成される平均株価のこと。日本の株式市場の動きを把握する際の主な指標とされています。
<TOPIX>
「Tokyo Stock Price Index」の略で、東京証券取引所に上場する銘柄を対象に算出されている株価指数のこと。日経平均株価と並び、日本の代表的な株価指標となるものです。
<約定>
株式取引などの売買が成立することを指します。
<株主権>
株式を取得している株主に与えられる権利のこと。
<株主優待>
企業が、株式を持っている株主に対して渡すプレゼントのこと。自社商品や割引券、優待券などを渡すことが一般的です。
3 株式投資の基本

株式についての概要がわかりました。ここからは、以下のような株の基本について説明していきます。
・株で利益が発生するしくみ
・株の始め方
・購入方法
・購入後について
いずれも株を購入するには知っておくべき情報なので、しっかり押さえておいてくださいね。
3-1 株で利益が発生する仕組み
株の価格(株価)は需要と供給のバランスによって常に変動しています。需要が多ければ値段は上がり、少なければ値段は下がるという仕組みです。
そのため、株価の低いときに購入し、高いときに売って差額を得ることによって利益を上げる(値上がり益)のが原則となります。このタイミングを見極めることが、株でより大きな利益を出すためのポイントとなるのです。
なお、株式が変動する際には、その会社に関連するニュースが世の中で話題になっているといったことや、政治や国際情勢なども関係します。株式を売買するには、世の中の状況もしっかり追っていることが大切でしょう。
また、値上がり益には下記の4タイプがあります。
<低位株投資>
社会の動向や大きなニュースの影響などで、100円前後の安い株が突然、高値をつけることもあります。しかし、倒産するなどのリスクもあるので、売買の前にはしっかり情報を確認しましょう。
<新興市場株・IPO投資>
主にベンチャーなど、今後の成長が期待される企業が上場している市場に投資すること
<成長株投資>
将来、成長する見込みがあると思われる会社に投資しておくこと
<割安株投資>
本来の価値よりも割安な価格で取引されている銘柄に投資すること
3-2 株の始め方
ここからは、証券口座を開設して、実際に株式投資を始めるまでの流れを解説していきます。
①証券会社を選ぶ
さまざまな証券会社があるので、サービスなどが自分に合った会社を選びましょう。最近はインターネット上で登録できることがほとんどなので、気軽にスタートできます。
②口座開設申込みフォームに入力する
名前や住所等の個人情報を入力する
③本人確認書類を提出する
マイナンバーと身分証明書等の本人確認書類をアップロードする
④審査が完了したら口座開設は完了
⑤証券口座に入金をする
インターネットバンキングや指定口座への振り込み
(※証券会社によって入金方法は異なるので要確認)
<岡三証券の場合>
〇即時入金サービス
インターネットバンキングを契約している場合、入金指示した金額が即時に岡三オンライン上の証券総合取引口座に反映されます。手数料は無料。
〇銀行振込入金
専用の入金先銀行口座が用意されるので、金融機関のATMや店頭、契約しているインターネットバンキングから振り込みをする。
⑥株を購入する
3-3 株の購入方法
証券口座を開設した後は、具体的にどのような手順で株式を購入すれば良いのでしょうか。
まず、下記のとおり株式の売買注文には「銘柄」「価格」「数量」「売買の別」の4つがあります。このキーワードを押さえておきましょう。
〇銘柄
企業の名称のこと。それぞれに4桁の銘柄コードがついています。
〇価格
下記の2種類があります。
・「成行(なりゆき)」…値段を指定しないで注文する方法。その時点の市場の値段で約定される
・「指値(さしね)」…値段を指定して注文すること
〇数量
通常は「1単元の整数倍」の株数を注文するルールになっています
〇売買の別
株式を購入するのか、持っている株式を売るのかという「買い」「売り」の別。いずれかを選択します
<株式を新規に購入する方法>
①日本株取引システムにログインし、「取引」タブを選択する
②現物注文の「現物買い」を選択、「銘柄名orコード」欄に銘柄名か4桁の証券コードを入力。その後、取引する市場を選択する。表示された銘柄に間違いがなければ「検索」をクリックする。
③現在値と売買状況を確認し、株数、単価、期間、預り区分を入力。 注文内容を確認し、インサイダー情報に基づく取引ではないことを確認、「注文確認画面へ」ボタンをクリックする
④注文内容を確認し、パスワードを入力、「注文発注」ボタンをクリックすると発注完了
3-4 株の売り方・出金方法
株の購入方法についてわかりました。では、売却する際はどのようにすれば良いのでしょうか。
<売却方法>
①売りたい銘柄を選択する
株を売る際も、購入する際と流れは同様です。企業の名前や証券コードを入力し、「売り」のボタンを押しましょう。
②「売り注文」をする
注文画面で、売りたい株式の数量を入力し、「成行」か「指値」かを選択する。「成行」注文は売りたい投資家が提示する株価のうち、最も高い価格で売りましょう。また、売りたい株価が決まっている場合は、指値注文を選びます。
<出金方法>
証券口座内にあるお金は、いつでも好きな時に引き出せます。振込先をあらかじめ登録しておけば、スムーズに出金できるのでおすすめです。
なお、出金にかかる日数等は証券口座によって異なるので、事前に確認しておきましょう。
4 株を始めるために必要な証券口座について

株取引に必要な証券口座は、さまざまな会社があるので、どれを選べば良いのか悩んでしまうと思います。では、どういった視点で選べば良いのでしょうか。下記のポイントをチェックすれば、自分に合った証券口座を選びやすくなるでしょう。
〇手数料
「定額コース」や「約定コース」など手数料を安く抑えられるコースを用意している証券会社もたくさんあります。どういったサービスがあるのかチェックしてみましょう。
〇外国株を取引できるかどうか
証券会社によっては、目当ての外国株の取り扱いがない場合もあります。自分が狙っている株の取り扱いがあるかどうかもチェックしておきましょう。
〇少ない株式数でも取引可能か
1~99株からでも取引ができると、株を始めるハードルが下がります
〇管理画面の使いやすさ
取引に使用するアプリが使いやすいかどうかも、大きく影響します
では、ここからはおすすめの証券会社をいくつかピックアップして紹介していきましょう。
<SBI証券>
国内取引シェア№1であり、取引銘柄・金融商品の多さや手数料の安さに定評があります。NISA口座の対象銘柄も多く、取引に応じて各種ポイントが付与されることも魅力です。
現在、以下のポイントが貯めらます。
Vポイント/Vポイント/Pontaポイント/dポイント/JALのマイル/PayPayポイントのいずれか
※事前にSBI証券の「ポイントサービス」への登録が必要になります
<楽天証券>
NISAの口座数は№1です。株取引額に応じて、楽天グループで使える「楽天ポイント」が貯まる・使えることも大きなメリットでしょう。いきなり現金で投資は心配、という方にもおすすめです。
スマホアプリはアメリカ株にも対応しています。
<松井証券>
手数料の安さで人気を集めています。1日当たりの現物取引・信用取引の合計売買代金が50万円以下の場合、手数料無料となるのが大きなポイントです。
独自サービスの「マーケットラボ」で、チャート分析などの情報発信も行っています。
5 株の選び方について

いざ株を購入しようと思っても、どれを選んでいいのか迷ってしまいますよね。そんな時は、下記の視点から選んでみましょう。
〇身近な業界やお店などの株式を選ぶ
身近で、多少なりとも知識のある業界の株式を選ぶと、情報もわかりやすいのでおすすめです。スーパーやコンビニ、趣味に関するものなどの中から選んでみましょう。
〇割安銘柄を選ぶ
株は、安くなって高く売ることが基本です。そのため、日頃からあらゆるジャンルにアンテナを張って、これから注目される分野や業界などを押さえておきましょう。
その中で、成長が見込めるものの、現在は割安で取引されている銘柄があるかもしれません。
〇株主優待で選ぶ
株主優待とは、株を持っている人に対して、企業が自社商品や割引券、優待券などをプレゼントすることです。この株主優待が魅力的な銘柄を選ぶという方法もあります。
6 株主優待

株を持っている人に対して、企業の自社商品や優待券、金券などがもらえる「株主優待」。
この株主優待を活用すると、日々の生活がお得になるのでおすすめです。
具体的には、下記のような特典があります。自分がほしいものを株主優待として渡している企業の銘柄を選んでも楽しいでしょう。
・QUOカード
・各種ギフトカード(自社が発行しているギフトカードなど)
・図書券
・レストランの食事優待券
・公共交通機関の割引券
・ホテルの優待券
・テーマパークの割引券
・食品
・日用品
・カタログギフト など
また、下記のとおり株主優待でポイントが貯まるものもあります。こうした銘柄を選ぶと、ポイ活の視点からもお得です。
<日本電信電話(NTT)>
100株で dポイント1,500ポイントがもらえる
<マツキヨココカラカンパニー>
100株でマツキヨココカラポイントが2,000円相当もらえる
<コメダホールディングス>
100株で「コメダ珈琲店」で使える電子マネー1,000円相当がもらえる
この他にも、ポイントがもらえる株主優待は多数あります。よく行くお店の株主優待情報などをチェックしてみてくださいね。
まとめ
株の取引はハードルが高いイメージがあるかもしれませんが、最近はオンライン上ですべて完結し、アプリで管理することができるので、意外と簡単に始められます。
どの銘柄を購入すれば良いのか迷った時は、よく行くお店や身近なサービスなどから始めてみると、わかりやすく、気軽にスタートできますよ。
ポイントが貯まる株主優待などもあるので、自分に合った投資を検討してみてくださいね。