ANAをはじめとする航空会社には、飛行機をたくさん利用することで特別なユーザーとなり、さまざまな限定サービスを受けられる仕組みがあります。「航空会社のプレミアムなサービスに興味がある！」という人も多いのではないでしょうか。この記事では、ANAの上級会員になることを目指している人や、インターネットで話題の「SFC修行」に興味を持っている人に向けて、そもそもSFC修行とは一体何なのかを徹底解説します。
この記事は下記のような人におすすめです！
・お得にSFC修行をしたい
・SFC修行の概要やメリットを知りたい
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1 マイル修行の意味
航空会社を利用することで貯められるポイントといえば「マイル」です。マイルをたくさん貯めるために、飛行機に何度も乗ることを「マイル修行」といいます。マイル修行をする人は、「目的地に行くこと」ではなく「マイルを貯めること」を目的に飛行機に乗るため、折り返し便に搭乗したり、同じ路線を何往復もしたりします。その姿が修行にたとえられ、「マイル修行」という言葉が生まれたというわけです。
一方で「SFC修行」とは、ANAのSFCを持つ（上級会員になる）ために何度も飛行機に乗ることを指します。マイル修行とは目的は違いますがやることは基本的に同じで、達成条件を満たすためにひたすら効率を求めて搭乗を繰り返すことから「修行」と呼ばれています。
2 SFCのメリット
SFC修行の目的であるSFCとは、ANAの「スーパーフライヤーズカード」（クレジットカード）の略称です。長い修行の末に手に入るこのカードには、一体どんな魅力があるのでしょうか。まずはSFCを持つことで得られるメリットについて紹介していきます。
2-1 ANAの上級会員と同様のサービス・特典が受けられる
SFCを持っていると、ANAの上級会員（ANAプレミアムメンバー）と同様のサービスや特典が受けられるようになります。まずはその内容をチェックしておきましょう。
- 航空ラウンジの利用
- 専用サービスデスクを利用可能
- 座席クラスのアップグレード
- 国内線の先行予約
- 国内線の座席指定優先
- キャンセル待ちの優先
- 国内線特典航空券の先行予約
- 国際線特典航空券のアップグレード優先
- チェックイン優先
- 手荷物受け取りの優先
- 手荷物の重量・個数制限の優待
- 専用保安検査場を利用可能
- 提携駐車場サービスの優待
- アップグレードポイントの付与
- ボーナスマイルのプレゼント
- マイルをANA SKY コインに交換する際のレートアップ
- アップグレードポイントをANA SKYコインに交換可能
- 提携先企業での優待
- オリジナルネームタグ・卓上カレンダー・手帳のプレゼント
2-2 年会費を払うだけでステイタスが維持できる
SFCの大きなメリットは、SFCを持っている限り年会費を払うだけでステイスタスがずっと維持されることです。一方で、ANAの上級会員である「ANAプレミアムメンバー」は1年ごとにステイタスが更新されるため、維持するためには毎年条件を満たさなくてはなりません。「ANAプレミアムメンバー」を維持し続けるのはかなり大変なので、その代わりに多くの人がSFCの取得を目指すというわけです。
SFCカードの年会費は、一般カードが11,275円、ゴールドカードが16,500円と、それほど高額ではありません。一般カードなら、月額1,000円ほどの出費で生涯にわたって特典やサービスを受けることができます。
2-3 家族カードが発行できる
SFCは家族カードを発行することができ、家族カード会員も本カード会員と同等のサービスを受けられます。家族カードは年会費が安く、一般カードが5,610円、ゴールドカードが8,250円です。家族全員で本カードを獲得するのは大変なので、誰か一人に本会員になってもらい、あとは家族カードを活用しましょう。
家族会員になれるのは「本会員と生計を同一にする配偶者・両親・18歳以上の子ども」です。SFCは家族会員のみで使うことも可能で、たとえば家族会員が1人旅をする際もラウンジの利用や優先搭乗といったサービスを受けることができます。ただ、メンバー限定ギフトなど一部の特典は本会員のみに限定されています。
3 SFCに申し込むための条件
メリットが多いSFCですが、誰でもすぐに入手できるものではありません。申し込むためにはANAが定めている条件を満たす必要があります。この条件を満たすための行動こそが「修行」といわれているもの。どんな人がSFCに申し込めるのかをご紹介します。
3-1 「プラチナ」もしくは「ダイヤモンド」会員である
SFCカードに入会するには、まずANAマイレージクラブに入り、飛行機に搭乗してプレミアムポイントを貯め、「プラチナ」もしくは「ダイヤモンド」のステイタスを獲得する必要があります。
ANAマイレージクラブのステイタスの種類と、獲得に必要な年間プレミアムポイントはこちら。
| ステータス | 獲得に必要な年間プレミアムポイント |
|---|---|
| ブロンズ | 30,000（うちANAグループ運航便利用分15,000） |
| プラチナ | 50,000（うちANAグループ運航便利用分25,000） |
| ダイヤモンド | 100,000（うちANAグループ運航便利用分50,000） |
このように、ブロンズ、プラチナ、ダイヤモンドと必要ポイント数が上がり、それにともなってより充実したサービスが受けられる仕組みになっています。
3-2 100万ライフタイムマイルに到達している
ライフタイムマイルとは、ANAマイレージクラブに入会してから現在までの総飛行距離のことです。100万ライフタイムマイルに到達している人は、ステイタスに関係なくSFCを申し込むことができます。100万マイルはおよそ160万kmですので、地球（1周約4万km）をだいたい40周すると到達できるということですね。
ちなみにANAで札幌から沖縄まで行った場合の区間基本マイルは1,397マイルですので、この路線だけで達成しようとすると358往復する必要があります。このように100万ライフタイムマイル到達のハードルはかなり高いので、達成できるのは世界中を飛び回るビジネスマンなど、ごく一部の人に限られるでしょう。
ANA「マイレージチャート | ANA国内線 | マイルを貯める」
4 SFC修行をはじめる前に！
SFCのメリットや申し込むための条件が分かったところで、次はSFC修行について詳しくご紹介します。とはいっても、条件の一つである「100万ライフタイムマイル到達」は現実的ではありません。SFCを目指す人は、基本的に「プラチナ」もしくは「ダイヤモンド」を目指すことになります。最初は達成条件が低い「プラチナ」到達を目標にがんばりましょう！
4-1 ANAカードを発行する
まずはANAマイレージクラブに入会し、ANAカードを発行します。ANAカードとはANAが発行するクレジットカードのことで、「入会・継続マイルやボーナスマイルがもらえる」「ANA SKY コインの交換率がアップする」といった特典があるのが魅力です。
「プラチナ」到達のためには飛行機にたくさん乗る必要があり、いかに効率的にマイルを貯めるかによってコストが変わってきます。ANAカードは種類によってマイルの還元率が変わるので、SFC修行には「100円＝1マイル」のレートで貯まるゴールドカードがおすすめです。
プレミアムカードにはさらに効率のいいカードもありますが、そのぶん年会費が高額ですので、マイル還元率とのバランスをみて決めましょう。
4-2 SFC修行にかかる費用を把握しておく
マイルは普段の買い物や他社ポイントからの移行といった方法でも貯めることができますが、プレミアムポイントは実際に飛行機に乗らないと貯まりません。つまり、それだけ航空券代がかかります。
SFC修行（50,000プレミアムポイント獲得）にかかる費用は、平均すると40万円から50万円程度です。プレミアムポイントは毎年1月1日にリセットされるため、1月から12月の1年間で50,000ポイントを獲得しなくてはいけません。1カ月あたりの出費に換算すると、4～5万円程度ということになりますね。
決して安くない金額ですが、1度修行を終えておけば、数十年という長い期間にわたってANA路線をお得に利用できることになります。
5 効率よくSFC修行するためには、プレミアムポイントを意識することが大切！
「プラチナ」もしくは「ダイヤモンド」に到達するには、プレミアムポイントを貯めるしか道がありません。SFC修行を実行し、成功させるためには、プレミアムポイントをいかに効率よく獲得するかを常に意識することが大切です。プレミアムポイントの貯まり方について確認しておきましょう。
5-1 プレミアムポイントの計算方法
フライトで獲得できるプレミアムポイントは、次の計算式で導き出すことができます。
基本区間マイレージ×クラス・運賃ごとの積算率×路線倍率＋搭乗ポイント
計算自体は難しくありませんが、それぞれの項目を調べて手動で計算するのは大変です。プレミアムポイントの計算には、ANA公式サイトにある「ANAフライトマイル・プレミアムポイントシミュレーション」のページを活用しましょう。搭乗日や搭乗区間を入力するだけで、獲得できるマイル数とプレミアムポイント数を導き出すことができます。
ANA「ANAフライトマイル・プレミアムポイントシミュレーション」
5-2 【国内、海外】SFC修行におすすめの路線・ルート
SFC修行の基本はなるべく遠くへ行くことですので、東京や大阪に住んでいる場合は「沖縄（那覇・石垣）」へ行くのが断然おすすめです。計算式の中にある「路線倍率」は、国内線が2倍、国際線が1.5倍もしくは1倍ですので、飛行距離が長く発着便が多い国内線はかなり効率的。がんばれば1日に2往復することも可能です。
国際線で修行する場合は、路線倍率が1.5倍のアジア・オセアニア・ウラジオストク路線のうち、できるだけ距離の遠い行き先を選択しましょう。具体的にはシンガポールやクアラルンプール、オーストラリアなどです。
ただ、効率ばかり求めていると疲れて嫌気が差したり、飽きてしまったりすることも。長距離路線をメインにしつつ、「行ってみたい」と思うエリアに出かけて観光を楽しみながら貯めるのもおすすめです。
6 ANAの航空券はスカイコインでも購入可能！
SFC修行にかかる費用をなるべく節約したい人は、「ANA SKY コイン」を活用して航空券を購入しましょう。「ANA SKY コイン」の活用方法をご紹介します。
6-1 スカイコインとは？
「ANA SKY コイン」とはANAの電子クーポンのことです。フライトで貯まったマイルを「1マイル＝1コイン」のレートで交換できます。
マイルといえば、特典航空券に交換してお得に旅を楽しめる航空会社のポイントです。しかしSFC修行では、絶対に特典航空券を使ってはいけません。特典航空券の搭乗分では、プレミアムポイントが貯まらないからです。
となると「貯まったマイルは無駄なの？」と考えてしまいがちですが、そこで役に立つのがスカイコインです。スカイコインは、航空券を購入するときに「10コイン＝10円」で使うことができます。
つまりフライトで貯まったマイルをスカイコインに交換し、次のフライトの支払いに充てることで、金銭的な負担を抑えられますす。お得に修行を終えるために、ぜひ上手に活用しましょう。
6-2 ポイント→マイル→スカイコインの交換ルートがおすすめ！
他社ポイントをマイルもしくはスカイコインに交換すると、SFC修行の費用をぐっと抑えられます。たとえば全国のさまざまなお店で貯められる「Tポイント」は、「500Tポイント＝250マイル」というレートでマイルに換えることができます。
マイルやスカイコインに交換できるポイントは数多く、交換レートもさまざま。さらに、そのままスカイコインに交換できるものもあれば、いったんマイルにしたうえでスカイコインに交換しなければならないものもあります。
普段からコツコツとポイ活を続ければ、格安でSFC修行を終えるのも夢ではありません。
まとめ ANAの上級会員を目指している人はSFC修行をはじめてみよう！
1度でも「プラチナ」に到達してSFCを入手すれば、年会費を払い続けることで未来永劫にわたって上級会員のサービスを受け続けることができます。ANAの上級会員を目指している人、ANAの優待サービスや特典を受けたい人は、これをきっかけにSFC修行をスタートさせてみましょう。
