日本の航空会社といえば、JALとANAを思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。しかし、日本の2大航空会社という認識はあっても、その2つの航空会社の違いについて聞かれると答えられない人も多いのではないでしょうか。
この記事では、そんな人に向けてJALとANAの違いを徹底解説していくのはもちろん、それぞれの会社のマイレージサービスの違いについても解説していきます。それぞれの会社のマイルを貯めるのにお得なクレジットカードについても解説していくのでぜひ参考にしてみてください。
この記事は下記のような人におすすめです!
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1 JALとANAの基本情報を比較
まずは、JALとANAの航空会社としての基本情報についての解説をしていきます。それぞれの会社の特徴についても解説していくのでぜひ参考にしてみてください。
1-1 JALの基本
JALの正式名称は、日本航空株式会社で1951年設立の航空会社です。ワンワールドアライアンスという世界170ヶ国以上の国と地域を結ぶグローバルネットワークを提供するアライアンスにも加盟しています。
また、JALのコーポレートカラーは赤色で、航空会社特有のサービスであるマイレージサービスは、JALマイレージバンクというマイレージサービスを提供しています。
JALは、2010年に長期にわたって赤字路線にもコストのかかる大型便を採用し続けてきた結果、莫大な経費がかかり、財務状況が悪化して一度は財政破綻に至りました。しかし、経営方針の見直しやさまざまな改革を行い、現在では日本を代表する企業としての地位を取り戻しています。
1-2 ANAの基本
ANAの正式名称は、全日本空輸株式会社で、1952年設立の航空会社です。スターアライアンスというおよそ30社の航空会社から成り立つ世界最大級のネットワークを提供するアライアンスにも加盟しています。
また、ANAのコーポレートカラーは青色で、マイレージサービスはANAマイレージバンクというマイレージサービスを提供しています。このANAマイルは、ANAの便に搭乗するときはもちろん、スターアライアンス加盟の航空会社の便に搭乗することでも貯めることができます。
ANAは元々は、日本ヘリコプター輸送会社として設立されましたが、飛行機事業にも参入して、現在ではJALと肩を並べる日本の主要航空会社に成長し、現在の地位を確立しました。
2 JALとANAのサービスを比較
ここまでは、JALとANAの基本情報について解説してきましたが、ここからはそれぞれの会社のサービスの違いについて解説していきます。
2-1 料金の比較
まずは、誰もが気になる料金についての比較を行っていきます。羽田空港〜伊丹空港の普通運賃を比較してみると、JAL、ANA共に約38,000円と大きな違いはありません。
JALとANA共に早期割引を適用しており、チケットを早く購入すればするほど安く航空券を購入することができます。そのため、旅行などの予定が決まった段階ですぐに航空券を予約することをおすすめします。
また、予約を取消した際の手数料については、ANAの場合は、55日前までなら払い戻し手数料の440円のみで取消手数料は発生しません。JALの場合は、払い戻し手数料の440円に加えて購入方法や時期によって異なるものの別途手数料が発生する場合があるので注意しましょう。
2-2 機内持ち込み手荷物の比較
機内に乗る際の持ち込みができる手荷物について、JALとANAで違いがあります。
- 国内線の場合
JALの場合は、普通席の場合は20kgまで、ファーストクラスの場合は45kgまでの持ち込み荷物を無料で預けることができます。大きさにおいては、縦・横・高さが50cm×60cm×120cm以内のものに限定されます。
ANAの場合も席のランクによって、無料で預けることができる手荷物の量が異なります。プレミアムクラスの場合は1個あたり40kgまで、普通席の場合は、20kgまでとなっています。1個あたりの荷物の大きさについては、全席共通でキャスターと持ち手を含む縦・横・高さの辺の合計が203cm以内のものに限られます。
JALとANA共に無料の持ち込み分を超えた分については100kgまでは、超過料金を支払うことで荷物の持ち込みをすることができます。
- 国際線の場合
JALの場合は、ファーストクラス及びビジネスクラスの場合は32kgまでが3個まで、プレミアムエコノミークラス及びエコノミークラスは23kg以内が2個までとなっております。
また、大きさは全席共通でキャスターと持ち手を含む縦・横・高さの辺の合計が203cm以内と定められております。
ANAの場合も席のランクによって、無料で預けることができる手荷物の量が異なります。ファーストクラスの場合は1個あたり32kg70ポンドまでの荷物が3個まで、ビジネスクラスの場合は1個あたり32kg70ポンドまでの荷物が2個までとなっています。
また、プレミアムエコノミー及びエコノミークラスの場合は、1個あたり23kg50ポンドまでの荷物が2個までとなっています。1個あたりの荷物の大きさについては、全席共通でキャスターと持ち手を含む縦・横・高さの辺の合計が158cm以内のものに限られます。
JAL 国内線 | お預けのお手荷物
ANA | 無料でお預かりする重さ・サイズ・個数(国内線)
JAL 国際線 | お預けのお手荷物
ANA | 無料でお預かりする手荷物の重さ・サイズ・個数(国際線)
2-3 航空路線の比較
JALとANAでは、航空路線の面でも違いがあります。
国内の主要空港では、JALとANAの路線が共に就航していますが、空港によってはどちらか一方の路線しか就航していない空港もあります。例えば、山形、松本、南紀白浜、出雲などはJALの路線のみが就航しているのに対して、稚内、帯広、富山、米子などはANAの路線のみが就航しています。そのため、自分の住んでいる地域によっては、JALの便しか選択肢がない人やANAの便しか選択肢がない人もいると思います。
また、国際線においても違いがあり、ANAはアメリカやアジア方面の路線を多く持ち、JALはヨーロッパ方面の路線を多く持ちます。海外旅行や出張によく行く人は意識しておいた方がいいかもしれませんね。
2-4 機内食・ラウンジの比較
国内線の機内サービスにおいては、JALとANA共に無料のドリンクの提供はありますが、普通席では機内食の提供サービスはありません。国際線ではどちらも機内食のサービスがあり、座席のランクが上がればメニューもランクアップしていきます。
JALの場合は、路線ごとにシェフが監修したメニューが用意されているため、機内食も旅の一環として楽しむことができます。ANAの機内食は、事前に予約をすることでオプションでランクアップさせることもできるため、豪華な食事を楽しみたい人にとっては良いかもしれません。
ラウンジにおいては、JALは「ダイヤモンド・プレミアラウンジ」と「サクララウンジ」が、ANAは「スイートラウンジ」と「ANAラウンジ」が、国内の空港に設置されています。全ての空港に設置されているわけではありませんが、これらのラウンジでは、ドリンクのサービスや無線LANを利用できるサービスがあり、空港での待ち時間を有意義に過ごすことができます。
ラウンジにおいては、JALとANAには大きな違いはありません。しかし、一部のANAラウンジは利用料を支払うことで、利用対象者ではなくても利用することができるので気になる人はチェックしてみてください。
JAL 国際線 お食事(JAL ビジネスクラス)
ANA 機内食 [国際線]
3 マイレージサービスの比較
ここまでは、JALとANAの基本的な情報やサービスについての比較を行ってきました。
ここからは、そんなJALとANAのマイレージサービスについて徹底比較し解説していきます。
3-1 JALとANAの共通点
JALとANAのマイレージサービスの比較を行っていく前にまずは、それぞれのマイレージサービスの大きな2つの共通点について解説していきます。
まず、一つ目の共通点はマイルの有効期限です。JALマイルとANAマイル共に3年という有効期限があります。正確には、マイルを獲得した月から数えて36ヶ月後の末日になります。有効期限が過ぎてしまったマイルは失効してしまうので、必ず定期的に期限を確認し使い切るようにしましょう。
2つ目の共通点は、マイルの積算方法です。JALマイルとANAマイルは、搭乗区間の基本マイル×積算率(利用運賃や予約クラスにより決まる)によって算出されます。一般的な企業が運営するポイントプログラムは、サービス利用額によって還元されるポイントがほとんどですが、JALマイルやANAマイルは、そういった利用額による要素と搭乗距離による要素によって還元されるマイルが決まります。そのため、航空マイルは搭乗距離が長くなればなるほどより多くの還元を受けることができます。
3-2 マイルの貯めやすさの比較
ここでは、JALマイルとANAマイルのマイルの貯めやすさについての比較をしていきます。
マイルの貯めやすさを比較する上で重要になるのが、就航している空港の数です。国内線では、JALが60空港、ANAが53空港とJALを利用できる空港の方が多いです。主要な空港では、JALもANAも就航していますが、地方の空港であればどちらか一方しか就航していない空港もあります。そういった面では、地方に住んでいる人は自分の地域にある空港がどちらか一方のみが就航している空港でないかということもマイルの貯めやすさを考える上で重要になります。
また、国際線においての就航都市を比較すると、JALが41都市、ANAが48都市とANAの方が就航している都市が多いです。さらに、JALマイルとANAマイル共に、同アライアンスに属する提携の航空会社でのマイルの相互利用が可能なため、アライアンスの規模もマイルの貯めやすさを比較する上では重要になります。JALが属するワンワールドアライアンスは提携航空会社が13社に対して、ANAが属するスターアライアンスは26社と2倍の規模のアライアンスになります。
このように、国内線をよく利用する人にとっては、就航している空港の数が多いJALマイルの方が貯めやすいと言えます。しかし、国際線をよく利用する人にとっては、就航都市とアライアンスの提携会社が多いANAマイルの方が貯めやすいでしょう。
自分のフライトの利用スタイルを考慮した上でどちらのマイルを貯めていくかを検討してみると良いと思います。
3-3 特典航空券への交換しやすさの比較
マイルを貯めている人のほとんどは、お得な特典航空券への交換のためにマイルを貯めている人も多いでしょう。そのため、マイルから特別航空券への交換のしやすさも重要になります。
国内線の東京大阪間の普通席であれば、JALは往復12,000マイルからANAは往復10,000マイルから交換が可能です。しかし、ANAマイルの特別航空券への交換レートは、時期によって変動するため、ピーク時期であれば、JALマイルを特別航空券に交換した方がお得に交換できるかもしれません。
また、国際線は就航都市が多いANAマイルの方がお得に特別航空券に交換できることが多いため、国際線の利用にはANAマイルの方がお得であると言えるでしょう。
3-4 座席のグレードアップ比較
マイルは、特別航空券の交換に利用することが多いですが、マイルを利用して国際線の座席のグレードアップに利用することもできます。
マイルだけで国際線の特別航空券と交換できるほどのマイルを持っていなくても、国際線のエコノミークラスの航空券を買って、マイルを使ってビジネスクラスやファーストクラスにグレードアップさせることができます。座席のグレードアップに必要なマイル数は、行き先によって異なりますがJALマイルとANAマイル共に10,000マイル程度からグレードアップが可能でこの2社のマイルに大きな差はありません。
4 クレジットカードの比較
ここまでは、それぞれのマイレージサービスの比較を行ってきましたが、ここからはそんなマイルを貯めるのに必須になるJALとANAが発行するマイルが貯まるクレジットカードについて解説していきます。
4-1 JALのクレジットカード
JALのクレジットカードは、大きく分けて普通カード、CLUB-Aカード、CLUB-Aゴールドカード、プラチナカードの4種類があります。
普通カードでは、初年度の年会費は無料で2年目以降は2,200円の年会費がかかります。このJAL普通カードは、クレジットカードの利用額200円に対して1JALマイルが還元されます。
また、通常のクレジットカードの利用に対して還元されるポイントが2倍になるショッピングマイル・プレミアムにも入会することができ、より効率的にマイルを貯めることができます。
新規入会でマイルがもらえたり、初めて搭乗した際にボーナスマイルがもらえたりするので、これからJALマイルを貯めていきたいと考えている人はぜひ検討してみてください。
4-2 ANAのクレジットカード
ANAのクレジットカードは、交通系ICが一体となったカードや法人用のカードなどもあるものの、大きく分けてANA一般カード、ANAワイドカード、ANAゴールドカード、ANAカードプレミアムの4種類のカードがあります。
ANA一般カードでは、初年度の年会費は無料で2年目以降は2,200円の年会費がかかります。
JALのクレジットカードとの違いは、ANAのクレジットカードは、街での利用に対しては、クレジットカードのポイントが溜まりそれをマイルに交換していく点です。そのため、マイルを利用したいときにクレジットカードのポイントから交換すれば、有効期限をそこまで気にしなくてよくなるのではないかと思います。
還元率は各クレジットカード会社によって異なりますが、ANAのクレジットカードは入会時のマイルの還元や毎年のカード継続時にもマイルの還元を受けることができるので非常にお得です。また、空港内の特定の免税店での割引が受けられるのも嬉しいポイントです。
まとめ
この記事では、日本の航空会社の大手2社のJALとANAについて徹底比較し、各マイレージサービスについての比較を行ってきました。JALマイルとANAマイルの特徴を理解した上で。どちらのマイルを貯めていくのが自分にあっているか、各々の旅行スタイルや生活スタイルに合わせて考えてみてはいかがでしょうか。